2016年11月17日 広島で開催された第43回日本マイクロサージャリー学会のフェニックスセミナー2「ナーブリッジ®の基礎と臨床」において、神経再生誘導チューブ(人工神経)ナーブリッジ®(東洋紡)を使用した顔面神経麻痺治療について講演させていただきました。
ナーブリッジ®は日本初の人工神経であり、外筒がポリグリコール酸で内腔がコラーゲンスポンジでできており、神経再生が終了した術後約3-4か月で外筒のポリグリコール酸が吸収されるようにできております 国内の臨床試験では、指の外傷による末梢知覚神経である指神経欠損に対して使用され、その有効性が認められ2013年に保険適応による治療が認められております。これまでに、1,500症例以上の末梢神経再建に使用されておりますが、そのほとんどは指神経などの末梢知覚神経に使用されてきました。
今回の講演では「遊離筋肉移植による顔面神経麻痺動的再建における神経再生誘導チューブの使用経験-神経再生誘導チューブの役割と可能性について-」と題しまして、これまでに報告されていない運動神経である顔面神経の麻痺治療においてナーブリッジ®が有効であった症例についてお話させていただきました。
ナーブリッジ®によって新しい顔面神経麻痺治療が今後期待されます。また、ナーブリッジ®は2016年6月に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)の承認を得たという点においても、今後世界的な展開が見込まれます。
当科では、ナーブリッジ®を使用した新しい顔面神経麻痺治療に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
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