顔面神経麻痺とは?
顔面神経の本体は、脳の顔面神経核にあり、そこから長い軸索という神経の枝を顔の表情筋に伸ばしています。脳神経核からこの軸索を通って表情筋に、収縮信号が送られると、表情筋が動き、顔に表情が生まれます。
この電線のような役割をする軸索は、脳の中では小脳橋角部というところ通って、側頭骨の中にある顔面神経管という細い骨のトンネルの中を通り、耳たぶの奥の方にある茎乳突孔から側頭骨を出て、さらに耳の前にある耳下腺の間を貫いて表情筋に分布しています。
この顔面神経核から表情筋に至る顔面神経の経路のどこかが障害されると、表情筋を動かす信号が伝わらなくなるため、表情筋が動かなくなります。その結果として、顔面の表情が失われてしまいます。この状態を、一般に「顔面神経麻痺」といいます。